Fumiya_Senoo’s diary

日々の気になったこと、役立ったことを記録しています

親しい君との見知らぬ記憶 感想

並行世界もの。

後半は面白かった。前半はもっとそぎ落として、逆にもっと後半は厚くして欲しかった。

感想(ネタバレあり)

序盤、小学生時代のお話。正直もう少し短くてもよかったと思う。ただ、以降の話につなげるために必要なのはよくわかる。

飛んで、高校生編。小学生編の話が、デジャブ的な感じで実際は体験してないのだけれども、記憶として存在する話だったという話の流れで進む。ふとした時に、その記憶の中に存在するプールを訪れ、記憶の中で仲良くしていた女の子と出会って、ということでここからが本編。高校生編も途中までは割と蛇足的で、本編に入るまでが長かった。

その記憶の中で仲良くしていた女の子は同じような記憶を持っていて、その記憶が何なのか?を確かめるために二人の記憶を突き合わせ、記憶で訪れたことのある場所を実際に訪れてみることに。デートやんけ!結局、高校生のうちは出会っただけで、付き合うには至らず(受験生だからしょうがないね)、大学生編へ。

で、大学生編。1年生の描写が一瞬あった・・・かな?でいきなり、4年生まで飛んで驚いた。そこ飛ばしちゃうの…?一番面白いところじゃない?この、描写がすっ飛ばされたところで、付き合ったし、付き合った22歳同志ならやることは一通りやったとだけ、ちょっとがっかり。

物語は終盤に。突如彼女が倒れ、ずっと眠り続けてしまう状態になってしまった。そんな時、並行世界の主人公からメールが届いて、という感じ。この辺りからが畳みかける感じで面白かった。ただ、ここに至るまでの伏線としてみたとき、描写不足だったり蛇足的だったりでちょっとなぁ、というのが冒頭に書いたところ。ただ、全体通してみれば面白かったのは間違いないです。

手放しで完璧と褒めるには一手足りず、かといって面白くないわけでもないという感じの作品でした。本作を最後に商業出版作品はない?ようなので、ぜひまた新作を出してほしいところ。